『十九、二十』

「サラリーマンは、いつもぼくを追い越す。
そんなに速く歩く必要が、ぼくにはないからだ。
ぼくは十九歳で、走るのは速いが、歩くのはとてつもなく遅い。
例えば十年後、サラリーマンになったぼくは、
歩くのが速くなっているだろうか。
そして、走るのは遅くなっているだろうか」