『タンナー兄弟姉妹』 ローベルト・ヴァルザー

ローベルト・ヴァルザー作品集の第1巻。

ローベルト・ヴァルザー作品集 1 タンナー兄弟姉妹

ローベルト・ヴァルザー作品集 1 タンナー兄弟姉妹


主人公は、饒舌で得体の知れるムルソー
あるいは愛だの恋だの言わないウェルテルという感じ。
流麗で、流れるようなテクストの積み重ねにもかかわらず、なにも訴えかけてこないのは、
この小説が一種の多幸感に包まれ、未来のことをなにも語らないからにほかならない。
主人公の生きかたといっしょだね。