『マーティン・ドレスラーの夢』 スティーヴン・ミルハウザー

で、こっちもヤバい『マーティン・ドレスラーの夢』

マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)

マーティン・ドレスラーの夢 (白水Uブックス)


やっぱりこの人の書く小説は丁寧で精緻という言葉がぴったりきますね。
たしかにこれは長編小説なんですけれども、
ごく短いそれぞれの章も、それひとつだけでじゅうぶんに美しく完成されており、
そのそれぞれ独立した完成品がさらにひとつの物語を形成しているというような小説です。
完璧に構成された連作スケッチを見ているみたいって言うのかな?うん。なんかそんな感じ。
そして、いつも思うんだけど、この人の小説は、
小説(あるいは文学)を芸術の一形態ととらえた場合、
その小説のもつ可能性を追求していったひとつの極致であると、僕は思う。
いや、おおげさではなく。なんにせよ素晴らしいです。