ジョナサンと宇宙クジラ ロバート・F・ヤング

おめーは本買ってばっかりでぜんぜん読んでねーじゃねーかとか言われてしまいがちな最近の僕ですが、
ロバート・F・ヤングさんの短編集『ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF)』読みおわりました。

ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF)

ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫SF)

これね、とても甘く素朴で感傷的。そんな形容がとても似合うお話ばっかりで、
んー、なんていうか、三丁目の夕日的SFっていう感じでしたねー。ノスタルジア
たしかに物語としてセンチメンタルすぎるきらいはあるし、
それを受けつけない人もきっといると思うけれども、
僕はもともと感傷的な芸風のお話がわりと好きですので、けっこう楽しめました。
表題作の「ジョナサンと宇宙クジラ」「リトル・ドッグ・ゴーン」「いかなる海の祠に」あたりの、
すこし長め(50〜100ページくらい)のお話が好みかなー。


うん。あのね、たとえば、

ちょっと見には、彼女は子どものようだった。不思議な青い瞳と、まばゆい金色の髪(いたずらな4月の風が、そのひと房をひたいにこぼしている)。画家の着るブルーの上っ張りと不似合いなベレー帽といういでたちで大人の真似をしている。チャーミングな未成熟な少女。

っていうこの文章(「魔法の窓」の冒頭)を読んで、
ウエッてなっちゃう人はあるいはこの本を楽しめないかもしれないけど、
まあ、べつにわるかぁないよねって人は、きっとこの本を楽しめるはず。