乳幼児の音楽のその後。

生後20日ころからおこなわれてきた、小ボスに対するポップ・ミュージック英才教育ですが、ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』まですすんだあたりで、ここ最近はすこし停滞気味です。そもそも、音楽を聴いて、リラックスしたり気分が良くなったりするようにと、僕は小ボスに音楽を聴かせていて、それはたしかにいくらかの成功をおさめもしているわけだけれども、最近の小ボスの聴覚にうったえる刺激のお気に入りは、僕のうなり声なのです。


このうなり声がどういう経緯で発見され、どういうメカニズムで小ボスに働きかけているのかは、僕にもさっぱりわからないけれども、僕が「あ゛ーーーー」とうなると、ぐずっていたり泣いていたりする小ボスがぴたっと泣きやむ。おなかがすいただとかうんこでおむつが気持ちわるいだとかの理由で泣いているときは、泣きやむところまではいかないまでも、いくぶん落ち着くし、眠いのに興奮して眠れないと泣いているときなどは、とろんとそのまま眠ってしまったりする。僕にしたって、乳児はうなり声で泣きやむし寝つくなどと言うことはいままで聞いたこともないし、小ボスの祖父母や僕たちの友だちも、小ボスが泣き出し、僕がうなりだしたときは、最初は「なにしてんねん」と怪訝な顔をするものの、僕がうなりだして4、5秒で小ボスが泣きやむその効果を見るや、みんなすごいと言う。いや、ほんと自分でもすごいと思います。駄目なときは駄目だけどね。


そんなこんなで毎日僕は眠りにつくときを中心に小1時間ほど小ボスに向かってうなりつづけており、最近では僕のうなり声も堂にいったもので、倍音に近い音が出るようになってきました。ボスも、僕が夕方帰ってくると、「ほら、うなりのおっさん帰ってきたで」と、小ボスに話しかけ、小ボスが泣きそうになると、自分でもうなってみたりしています。結果は芳しくないみたいだけど。そんなわけで、小ボスは最近あたらしい音楽にあまり触れていない。


しかしながら、ずっとうなりつづけるのは正直しんどいし、僕のいないときのことも考えなければいけないので、ホーミーだかディジュリドゥだかの音を聴かせてみようと思っています。



ぐずっているところを僕のもとに運びこまれ、うなり声によって眠りに落とされた小ボス。この日記を書いているときも、ベッドで寝ている小ボスがぐずったので、2、3度うなってきました。