『DV』

フレデリック・ワイズマン映画祭なので。

フロリダ州最大のDV被害者保護施設「スプリング」は年間1,650人もの成人と子供を受け入れている。経済的抑圧、精神的・肉体的虐待、性的虐待……。加害者は故意に被害者を傷つけ、支配しようとする。なぜ家族がお互いを傷つけあうのか、なぜ犠牲者は傷つけられることを許してしまうのか。映画に映し出される現実はたびたび我々を驚かせ、この問題について我々が抱いているステレオタイプを覆していく。


これでワイズマン4本目となるわけですが、
これまででいちばんふつうのドキュメンタリっぽいですね。
それはたぶん、たとえば『エッセネ派』とかだったら、
俗世間からはなれ、修道院で信仰に生きる人たちのあいだにも、
個人的な諍いとか、だれがだれの陰口を言ってたとか、
超俗っぽい部分がわりあいあったりして、
そういう諧謔を盛りこむのがこの人の芸風だったりするのがだんだんわかってきたんだけど、
まあ、DVの被害者はどこをどう考えても100%被害者なので、
そういう諧謔や皮肉がまったくない点が、非常にふつうのドキュメンタリっぽいなと。


ほんとはこのあとの『DV2』も観たかったんだけど、
朝にアーセナルのゲーム観て、『DV』が195分。で、『DV2』が160分。
たとえば、僕が『DV2』観たとしたら、今日僕はなんらかの映像を、
8時間ほど観ることになり、いや、ちょっとこれは無理だなと。
『DV』だけでけっこう疲れたしね。