日の名残り』 カズオ・イシグロ

昨日書こうと思ってたのはこれ。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。
長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、
二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。


いやぁ、この本は素晴らしいですね。
老いつつある主人公と衰えていく大英帝国
そのどちらもすでにピークを過ぎてしまったふたつの歴史を、
絶妙にオーヴァーラップさせた非常に織りのこまかい小説でした。
静かな悲劇という言葉がもっとも適当なのではないでしょうか。素晴らしい。