『ヴァンダの部屋』

ポルトガルペドロ・コスタっていう監督の撮ったドキュメンタリー映画
ヴァンダの部屋』を日曜日の夜に観おわりました。

ヴァンダの部屋 [DVD]

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いや、ほんと、あらすじもなにもないような映画なんだけど、
イントロダクションとしてはこんな感じ。

ポルトガルの首都リスボン。アフリカ系移民が数多く住む貧しいフォンタイーニャス地区が、
再開発のため取り壊されようとしている。住人はこのスラム街からの立ち退きを迫られていた。
日がな一日自室のベッドの上で激しく咳き込みながらドラッグをやり続けるヴァンダは、
母親と絶えず罵り合うが、家族を大事に思う気持ちは人一倍強い。
彼女を訪ねてくる黒人青年パンゴは、廃虚と化した街で、
空き家を転々としながらも、やはり、ドラッグにどっぶり漬かっている…。
スラム街に住む女性ヴァンダとその家族、
そして同じ地区に暮らす人々の姿を、2年の月日を費やしてデジタル・ビデオに収めたドキュメンタリー。


なんていうかね、取り壊されゆく街に宿命的な影のように固着し、
時間やものごとの変化から取りのこされていく人々というテーマは、
どこかしらウィリアム・フォークナーさんのヨクナパトーファ・サーガ的なものがありますね。
固定カメラに映し出される映像がとても美しいです。そこに映ってるものはかなり悲惨だとしてもね。
あるいは映像が美しいから、よけい悲惨に見えるのだろうか?
この監督の『コロッサル・ユース』も観に行こうっていうか、
『コロッサル・ユース』観に行きたいからこの映画観たんだけどね。