『金星応答なし』 スタニスワフ・レム

夜中に『金星応答なし (ハヤカワ文庫 SF 417)』読みおわる。
レムさんの処女長篇らしいんだけど、
僕がSF読むようになるまえに「SFってどうせこんなんなんでしょ?」と、
想像していたSF小説どおりの、SFというスタイルで書く意味のかけらもない、
「宇宙飛行士が金星を探索する勇気と、
中学生が初めてエロ本を買うときの勇気はいっしょ」的小説で、
あのレムさんがこんな小説を書いてたの?と、
ソラリス』があまりに衝撃的すぎてSFを読むようになった僕としてはかなりびっくりした。
巻末の訳者解説を読むと、やっぱり本人にとってもこの本は消したい過去らしい。
まあ、ふつうそうだよね。
原形質のプラズマの海とかちっちゃい虫のような機械の集合体とかいった、
今後の小説のモチーフとなるようなガジェットが、
この小説のなかにすでに出てきてるのは興味深い。